篠田桃紅(シノダ トウコウ)

日本の美術家、版画家、エッセイスト。 戦後に書家として活動を始める一方、既存の文字の枠組みに捕らわれず解体し、墨で抽象を描く創作活動を行う。 欧米のアートシーンで、東洋の伝統と抽象絵画を融合した作風が高く評価された。 作風は、左右分割、明暗対象、朱の赤の効果などが表れる70年代。 縦に走る力強い連続線など洗練された80年代。 金や銀が多用され画面が柔らかくなり、墨の画面に光が入ることで奥行きが生まれた晩年。 初期の情感的な抽象から、よりシンプルに昇華された抽象として、墨の特性を活かした独自のスタイルを確立していった。
1913年 大連(中国)に生まれる
1954年 ニューヨーク近代美術館にて「日本現代書道展」開催
1961年 「ピッツバーグ国際現代絵画彫刻展」で特選を受賞
1973年 東京国立近代美術館にて「戦後美術の展開-抽象表現の多様化」展 開催
1977年 ワシントン駐米日本大使館公邸のために壁画を制作
1979年 随筆集『墨いろ』(PHP研究所)出版で第27回日本エッセイスト・クラブ賞受賞
1993年 御所・御食堂のために絵画を制作
1999年 東京文化会館のために名称ロゴを作成
2010年 関市立篠田桃紅美術空間にて「篠田桃紅 あゆみ」展開催。天皇皇后両陛下行幸啓
2015年 『103歳になってわかったこと 人生は一人でも面白い』(幻冬舎)を刊行
2021年 逝去

取り扱い点数

5 点