バルセロナを拠点に活動するペインター。
オリバーの作品を見ると「なにか足りない」と感じます。
「私はこれまで、自分のキャラクターにアイデンティティを与える必要性を感じたことはありません」とオリバー自身が語るように、作品に表情を読み解くうえで大きな役割を持つ「目」が作品には描かれていないのが特徴的な作風。
そのように「目」を描かないことで、対象をグラフィティカルに描くスタイルとオリバーの言うアイデンティティの不在を強調する役割を果たしています。
表情を抜き取られた作中の登場人物は、過去ポップアートが継承してきた大衆性や視覚的インパクトを体現し、それと同時に情報社会の下、相対でのコミュニケーションが困難になりつつある現代的な匿名性の相関も感じることができます。